豊かな人生ってどんなことが必要なのだろう?
今回は、豊かな人生について、有名なマズローの段階的欲求説をもとに考えてみました。
マズローの段階的欲求説とは?
アメリカの心理学者であるアブラハム・マズロー(1908-1970)が、提唱したモチベーション理論です。
よく会社の人事・給与制度の検討やマーケティング活動で販売意欲が高い顧客層の検討などに使われます。
マズローの段階的欲求説では、「人の欲求というのは、5段階のピラミッド方式となっていて、下の層の欲求が満たされると上の層の欲求を満たそうとする」と定義しています。
各欲求段階は、上の層から次のようになっているとされています。
- 自己実現欲求
-
あるべき自分になりたいという欲求
- 個性を活かし、人間として成長したい。
- 自己目標を達成したい。
研究的な欲求、平和の追求、芸術鑑賞なども含まれ、ある種の無償性が含まれている特徴がある
- 自我欲求
-
他人からの賞賛を求める欲求
-
- 能力に相応しい仕事を遂行・達成し、褒められたい。
- 周りから注目され、認められ、賞賛されたい。
何かしらのグループ(コミュニティ)に所属しなければ、自分を認めてほしい他者を認識することはない
- 社会的欲求
-
家庭・会社・国家等のへの帰属の欲求
-
- 皆から受け入れられたい。
- 良い会社、良い仲間と仕事をしたい。
あくまで生存を脅かされない(基本的欲求が満たされた)状態で生まれるため、社会的な帰属欲求は基本的なモノと考えられる
- 安全欲求
-
生きる・生命を脅かされないことの欲求
- 危険から身を守り、安全を確保したい。
- 収入の安定や安全を確保したい。
危険をいかに回避し安全を確保するかに偏っている場合必然的にそれ以外のことは考え難くなる
- 生理的欲
-
生きる・生命としての基本的な欲求
- 収入を確保し、生命を維持したい。
- 食べる、眠る、水を飲む、排泄する。
生理的欲求が満たされないと、病気になり、いらだち、不快感を覚える事となる
サラリーマンは低次元欲求を脅かされている?
このマズローの段階的欲求説は会社の人事・給与制度の検討で良く活用されます。
良い仕事をしてもらうために自己実現欲求を高める工夫をしてくれるのであれば良いですが、どちらかと言えば
- 「この世の中で普通の仕事をしていては、会社の存続が危うい」
- 「食っていくために何としてでも成果を出せ」
- 「仕事でお金をもらっている以上、成果出さないと存在意義なし」
などと言って、収入の安定、すなわち「安全欲求」や「生理的欲求」を脅かして働かせようとする会社が多いのが現実ではないでしょうか?
しかしながら余儀なく事業縮小や倒産してしまう会社が無数に存在し、低次元欲求の維持さえも危険にさらされているのは事実です。
安全欲求を維持するのが精一杯の状態では、次の欲求段階を充足させようとするモチベーションが低くなり、豊かさも停滞しがちです。
とは言えただお金持ちになるだけでは幸せになれない?
ただ、お金を得ることで満たされる欲求は、一番下の「生理的欲求」と一つ上の「安全欲求」が中心となります。
募金という形で社会貢献して「社会的欲求」「自我欲求」「自己実現欲求」を満たせられるかもしれませんが、ただ単にお金持ちになるだけでは、豊かな生活を送れないということとなります。
ちなみに、世界富豪ランキングに入るような人たちは、一生分のお金を持っているにも関わらず、仕事を辞めません。
マズローの欲求段階説に照らし合わせると、仕事をするという社会貢献を通じて「社会的欲求」「自我欲求」「自己実現欲求」を満たし、より高次元の欲求を満たすことで幸福感を得ていると考えられます。
ではどうやって豊かな生活を得れば良いか?
「自我欲求」「自己実現欲求」を満たす何かを自分で見つけておく必要がありそうです。
そして、いつかそれに挑める環境づくりも進めておくことも必要でしょう。
「自我欲求」「自己実現欲求」を満たすものとして、自分が好きなジャンルやカテゴリのボランティアや人や地域、環境に貢献できる仕事などがあると思います。
しかしながら、「自我欲求」「自己実現欲求」を満たすものは、必ずしも「安全欲求」や「生理的欲求」を満たせないものであることがあります。
ボランティアなんかはその典型ですね。
そのため、「安全欲求」や「生理的欲求」を満たす環境づくりとして、お金を稼ぐビジネススキルの習得やビジネスモデルの確立、お金に働いてもらう投資知識などを身につけておくと良いと考えられます。
お金や生活の心配をせずに、自分やりがいを感じてることに集中できる姿を想像するとワクワクしませんか?
そういう状況づくりを進めていきたいものです。
自分の本来したいことを考えてみる
豊かな生活を送るためには、「本当は自分は何がしたいのか」という自己理解をし続けるチャレンジが必要だと思います。
そのチャレンジは、きっと「自己実現欲求」を満たす何かになると思います。
自分自身の高次元の欲求を満たせるものは何か、一度考えてみると良いかもしれません。